豊田ホタルの里ミュージアムの活動記録をご報告いたします。ただ、体験学習の活動記録については、体験学習のページでご報告いたしますのでそちらをご覧ください。

2007年度の日々の活動記録
2007年度の活動記録の詳細
2008年度の日々の活動記録
2008年度の活動記録の詳細
2009年度の日々の活動記録
2009年度の活動記録の詳細
2010年度の日々の活動記録
2010年度の活動記録の詳細
2011年度の日々の活動記録
2011年度の活動記録の詳細
2012年度の日々の活動記録
2011年度の活動記録の詳細
2013年度の日々の活動記録
2011年度の活動記録の詳細
2014年度の日々の活動記録
2011年度の活動記録の詳細
2015年度の日々の活動記録
2011年度の活動記録の詳細


《2015年度》 No. 134
 タイトル
春季企画展!
書込日
4/14
ワサビ
ユリワサビ
セイヨウカラシナ
ハマハタザオ
内 容 

 春季企画展はアブラナ科の植物についてです。そのため、今春は野山から湿地から海岸までアブラナ科の植物を探しては駆け回りました。アブラナ科植物としてはアブラナをはじめキャベツやコマツナ、ダイコン、そしてワサビといろいろとありますが、身近なところにあるアブラナ科植物と言ってもあまり知られていません。花には大して種の特徴はありませんが、果実の形や葉の形など知れば、違いがわかってきます。ぜひ、身近なアブラナ科を探してみてはいかがでしょう。4枚の花弁がとてもかわいらしいですから。。(川ノ)

《2015年度》 No. 135
 タイトル
次のテーマ展!
書込日
4/16
3倍体?のゲンジボタル♀
ゲンジボタルの触角
ゲンジボタルの発光器(CT画像)
頭も光るゲンジボタル蛹
内 容 

 春季のテーマ展は「知られていないホタルのこと、誤解されているホタルのこと(案)」を開催する予定です。そのため、只今ホタルの知られていることや誤解されていることを収集しています。

ホタルは日本ではとても有名で親しみのある昆虫ですが、意外と知られていなかったり、誤解の多い昆虫です。ぜひ、この展示をご覧頂いて、ホタルのことを知って頂けたらと思っています(川ノ)。

《2015年度》 No. 136
 タイトル

次の企画展!

書込日
5/5
ゾウムシの気門
左の拡大
クロスズメバチの気門
シオカラトンボの気管
内 容 

 次の企画展は「螢の呼吸と蟲の呼吸」というタイトルです。

 当館のことをご存じの方の中に、もしかしたらこのタイトルどこかで聞いたことがあると思われた方がいるかもしれません(大変少ないとは思いますけど、、)。 実は、昨年の同じ時期の企画展は(「螢の脳と蟲の脳」)ということで、ホタルをはじめ昆虫類やさまざまな節足動物の脳(神経系)の企画展を開催しました。つまり、今回の企画展はそのつづきなのです。
 
  昨年は身近な節足動物の「神経系」で、今年は「呼吸器系」、そして、今後のことはわからないけど可能であれば「消化器系」、「視覚系」、、、とホタルを主軸に節足動物全体の体の中を一つずつ詳しく紹介していければと思っています。 今年はその第2弾というわけです。
  生物が生きるためには最低限守らなければならない3つの約束があります。それは、「息をする」、「物食べてうんこする」、「刺激に対して反応する」です。後の2つはずっとする必要はありませんが、「息をする」だけはずっとしなればならない生き物のもっとも大事な約束です。だから、生き物を理解するためには、「呼吸」を知らないといけないのです。
 
  今回の企画展は、可能な限り本物で、わかりやすくこの呼吸を紹介したいと思っています。そのため、最近は小さな生き物を解剖しては気門、気管、毛細気管を調べています。まぁ、調べているとは言っても、ただ顕微鏡で見たり、撮影したりしているだけですけど、、、でも、これが難しいのです。これまで、いろいろな生き物を解剖してきましたけれど、種名を調べたりする時に見る体内というのは死んで、エタノールなどで漬けてあれば時間が経っても十分見ることができました。去年の脳も、どうにかすればエタノール漬けの死体でも見たり、取り出すことができました。でも、呼吸器系というのは、これまでの知識や技術が役に立ちません。長時間保存していた標本では綺麗に気管が見えないのです。。。水酸化ナトリウムなどで肉を溶かしたりして、どうにか見ようと試みていますが、一筋縄ではいきません。毎回毎回ですけど、企画展の度にこのような壁にぶつかります。
  さてはて、今回はどうやってこの壁を乗り越えましょうか。。。。。。
まぁ、 考えたってはじまらないから、とりあえずいろいろな試行錯誤を泥臭くしていきましょ。
 
  この企画展は5月26日から開催予定です(川ノ)。

《2015年度》 No. 137
 タイトル

呼吸するところ

書込日
5/15
オオナミザトウムシの脚の気門
オオナミザトウムシの気管系(白いところ)
イソカニムシの気門
イソカニムシの気管系(白いところ)
アシダカグモの書肺
ジグモの書肺
サソリの書肺
左の拡大
トビズムカデの気管系
オオゲジの気門
内 容 

 次回企画展はホタルをはじめ節足動物(昆虫、多足、鋏角、甲殻)の呼吸に関するものなので、いろいろな生き物の気門や気管を調べています。
 
  クモやサソリ、カブトガニのような書肺を持つものや、ザトウムシやカニムシ、ヤスデのように細かな毛細気管が体内に伸びているもの、ムカデや昆虫などのように立派な気管が体内を無駄なくはびこっているものなど、それぞれ違いがあります。 この呼吸器官の性能と彼らの動きというのはたぶん関係があって、よく動く生き物は立派な気管を持っているように思えます。
  生き物の体の中というのは、見れば見るほどに、知れば知るほどに発見があります。「無知の知」を思い知らされます。
 
  なるべく実物を展示したいと思って解剖した生き物の標本を展示できるように作っているところですが、一般の方が見たときに気持ち悪いと思われないように、いろいろな人に見てもらって意見を聞きながら作成しています。また、解剖した生き物の多くは、飼育中に死んだ個体や他の水族館や動物園から頂いた死体を使っています。生き物のことに興味を持って頂きたいのに、気持悪いとか殺してかわいそうと思われないために気をつけています。
 
  でも、どうやったって気持ち悪いとかかわいそうと言われます。。。
まぁ、キレイな蝶の標本でさえ気持ち悪いと言われるし、クルマエビや伊勢エビなどは平気で肢をちぎったり、腹を開けてはらわたを食べたりするのに、解剖したり体内が見える標本はかわいそうと言われます。なかなか、難しいものです。いっそのこと、標本をフランべしてキレイな皿に盛り付けして、美味しそうに展示したらいいのかもしれないとバカなことを考えたりもしてしまいます。。。実物を展示するというのは難しいものです。でも、博物館が実物を展示しなかったら意味がないので、どうにか少しでも多くの人に見てもらえるように作成しようと思います(川ノ)

《2015年度》 No. 138

 タイトル

ホタルの展示

書込日
6/9
ゲンジボタル展示ケース
凍らせたペットボトル
ホタル展示ケース
保冷剤
飲み物を飲むホタル
飲み物を飲むホタル
内 容 

 当館ではこの時期は当然のことですけど、ホタルを展示しています。ただ、ホタルを展示するにあたり、大量に展示した方が来客される方は喜ばれるのかもですけど、そのためにホタルを大量に採ってきたり、さらにはそれをショーみたいにして展示するのは、なんともかわいそうでできません。
 
  当館では少ない数でも見てもらえるように水槽を自作して、見えやすくし、さらにこの水槽を常に冷やすことで、ホタルの活性を抑え、さらに湿度を保つことでホタルが長生きできるようにしています。さらに、特製の飲み物を飲ませることで、少しでも長く生きてもらおうと飼育しています。どうしたら1日にちでも長く、彼らの生存日数を伸ばせるか、今後もすこしづつ研究していこうと思っています。
 
  なお、ホタル以外にも当館には、魚類(約30種)、水生昆虫(12種類)、エビ、カニ類(12種類)、両生類(14種類)、ほか色々と生体展示していますが、それらもすべて、どうしたら長く生きてくれるか、ということを考えて飼育したり、水槽を改良したりしています(川ノ)。

《2015年度》 No. 139

 タイトル

企画展のタイトルの説明

書込日
6/12
ポスター
アオズムカデ気管
内 容 

 今回の企画展のタイトルは「螢の呼吸と蟲の呼吸」です。最近このタイトルについて「なぜ?旧漢字を使っているのか?」という質問をよく受けるので、ここで説明しておこうと思います。

  この企画展は身近な節足動物の呼吸について紹介したものです。身近な節足動物は4つのグループがいます。
それは、@ホタルやカブトムシなどの昆虫類、Aエビやダンゴムシなどの甲殻類、Bムカデやヤスデの多足類、そしてCクモやザトウムシ、カニムシ、カブトガニなどの鋏角類です。
 
  そのため、個人的には企画展のタイトルとしては、
「ホタルと昆虫類と甲殻類と多足類と鋏角類の呼吸」と書きたいところなのです。

  でも、それでは長すぎるし、わけがわかりません。そこで考えたのが「虫」という漢字は昆虫だけではなくて、小さな生き物のことを指して使われます。つまり、このタイトルにはこれら4つのグループを暗示させるために、虫という漢字を4つ入れたかったのです。

  もう、わかりますか?螢という漢字の「虫」という字は「昆虫類」を表し、蟲という漢字の一番上の「虫」は、「甲殻類」を、下の2つの「虫」が「多足類」と「鋏角類」を表しているのです。並び順は最新の系統的な意味があります。だから、蟲という旧漢字を使っています。螢という旧漢字を使ったのは、虫は「昆虫類」を表すので、上の火という漢字がホタルを表していていいなぁ〜と思ったのです。ちなみに、この火は片方が陸生ホタルで、もう片方が水生ホタルといったこじつけをしています。これが、タイトルに旧漢字を使っている理です。
  漢字ってなんてよくできているのでしょう。ちなみに、春に虫2つでなんと読むかわかりますか?「蠢」正解は最後に。
 
  また、ポスターの写真はゲンジボタルのCT画像ですが、昨年のポスターと同じではないかと気づく方がいるかもしれませんが、実は微妙に違う写真なのです。どうでもいい話しですね。。。

 企画展では右の写真のような気管の見える標本をいろいろ展示していますので、もしよかったご来館ください。


 答えは、、、「うごめく」です (川ノ)

《2015年度》 No. 140

 タイトル

鱗粉

書込日
7/15
タテハモドキの目玉模様(拡大)
ギフチョウ
アオタテハモドキ
サツマニシキ
リュウキュウムラサキ
内 容 

 夏季テーマ展は蝶類の展示を行います。蝶類は美しい翅を持つ種類がいるので、美術品のようにインテリアとして観賞される方もいます。でも、美術品のように遠くから眺めて観賞するだけなんて、もったいない。
 
  彼らの凄さはより微細なところを観察するとわかります。それは人が作れない自然の美というべきものです。
 
  そこで、この展示では蝶をずら〜と展示しますけど、それはその美しさや種類の多様さを見て頂くだけではなく、彼らの凄さを知って頂きたいという思いがあります。そこで、鱗粉の拡大写真の展示と、ルーペを設置することで自分の目で彼らの微細構造を見て頂く展示となっています。
 
  上の写真をご覧ください。テレビやモザイク画のように一つのピクセル(鱗粉)は一つの色でしかありません。それが組み合わさって模様を作っているのです。なんて凄いのでしょう〜!そして、 その模様は実におしゃれです。
 
  また、私が一番好きで、凄いって思う模様はタテハモドキの目玉模様です。この目玉模様を見て、何かに似ていると思いませんか?
  私は名探偵コナンのコナン君の目によく似ていると思ってしまうのです。コナン君の目は輝きの部分(白いところ)と影の部分(黒い部分)が目玉の模様の中に入っています。このタテハモドキの模様にはそのすべてが小さなピクセルの組み合わせにより再現されているではありませんか!
 
  今回の展示ではこの凄い世界を見て頂けるようになっています。珍しい種類とか、個体変異の標本とかも展示している中にはありますけど、そんなことより、ぜひ、彼らの緻密な芸術をご覧ください。

  あなたの知的好奇心を少しでも揺さぶることができたなら、只々うれしいです(川ノ)。

《2015年度》 No. 141

 タイトル

プラナリア

書込日
7/25
コウガイビルの一種(豊田町華山にて)
クロイロコウガイビル(豊田町浮石にて)
オオミスジコウガイビル(小月中迫にて)
内 容 

 夏のこの時期は甲子園が熱いです! でも、「野球ばかりテレビで放送して、他の部活はなんで放送しないの?野球びいきだ!」、という人がいます。
 
  同じようなことで、「ホタルはなんでいろいろと観光に利用されたり、研究されたり、保護されたりしているの?私がやっている生き物はこんなにマニアックで誰も見向きもしないのよ!ホタルびいきだ!」、なんてことを言う人がいます。
 
  でも、ホタルや蝶などのようなメジャーな生き物を研究している人の中には「マニアックな生き物は研究ライバルが少なくていいね〜。私がやっている生き物はこんなにメジャーな生き物だから研究ライバルが多くて大変だし、保護されている場所が多くて調査も自由にはできないのよ!」なんてことを言う人がいます。
 
  マニアックな生き物でもメジャーな生き物でも、色々な思いがあるもんだと、人の話しを聞いたり、文章を読んだりすると思います。この世のことは、片方だけの話しを聞いただけではよくわからないものです。

  最近は、時間を見つけては陸生のプラナリア(コウガイビル)を探しています。これはマニアックな生き物なのか?それともメジャーな生き物なのか?そんなことは私はどうでもいい。ただただ、彼らの形態や生態に純粋に魅力を感じます。
 
  関心がある人が多いとか少ないとか、 個体数が多いとか少ないとか、 生息地が多いとか少ないとか、 “多いとか少ないとか”に価値を見出すと、彼らの本来の魅力を見失いかねないし、 メジャーな生き物だから興味が出ないとか、 マニアックな生き物だから興味を持つとか、 になってしまうと探求の世界に無駄な壁を作ってしまうと、最近いろいろな人の話しや文章を読むたびに思っています。

  とはいえ、そう思ってもなかなか難しいものです。。。人の世界には人の色々なエゴがあるのですから。ただ、それもまた生物(自然)のことなのだと思うのです。
  だから、結局は「深く考えないのが一番」、というこれまでの偉そうな話しはなんだったのだ?と思われるバカな結論に辿りつくのです(川ノ)  

《2015年度》 No. 142

 タイトル

人の大きさのゲンジボタル

書込日
7/31
内 容 

 館内に入ったところに人サイズのゲンジボタルのμCT画像の写真を設置しています。
 
  これは「ゲンジボタルを人と同じくらいにしたら何か発見があるかな?」とふと思ってしまって、それを確かめるために作ったものです。

  実際に作ってみると、案外、脳みそが大きくて私の脳みそと同じくらいあるではありませんか!また、飛翔筋はものすごく大きくて、とてもマッチョなのがわかります。 ゲンジボタルは実際は1cmくらいしかなくて小さいけれど、その体内は素晴らしく精密なのが拡大したらよくわかりました。

  この写真に対峙する度に「私たちと彼らはそんなに違いはないんだなぁ〜」と、思っています。また、「こんな大きな発光器を人がもっていたら便利だろうなぁ〜」なんてくだらないことも思っています。(川ノ)

《2015年度》 No. 143

 タイトル

なんでだろう〜?

書込日
8/14
山口県西部で撮影したゲンジボタルの集団同時明滅(2013年6月)
内 容 

 今年も早いもので秋の虫たちが鳴き始めました。どうして、彼らはこんなに正確に毎年毎年その時期になると出てくるのだろう〜?日長とか積算温度とかいろいろと目安にしているでしょうけど、「成虫なるのめんどくさいなぁ」とか言う虫はいないのだろう〜か。。。。。  
  そんな疑問を彼らを見ていると思ってしまいます。

  これまで撮影したゲンジボタルの映像を整理していると、同じような疑問が沸々とでてきます。例えば、上の映像のような♂が点滅を合わせて光る行動などです。どうして、彼らは集団を形成して点滅を合わせるのだろう〜?利己的な彼らが利他的な行動をとらないというのが、今の学説の常識らしいのです(社会性昆虫は除く)。つまり、彼らは集団を形成するような利他的なこと(集団同時明滅など)はしないはずなのです。
 
  でも、この集団同時点滅という行動にはたぶん「のろし」のような役割があって仲間や配偶相手を集めるのに役に立っているのではないかと私には思えてしまって仕方がないのです。彼らは幼虫が川にいるのだから、どうしても分散してしまう。。。。カブトムシなどのように成虫が餌を食べるのであれば餌場などで配偶者に会えるけど、ゲンジボタルは餌を食べないのだから、そんな待ち合わせ場所はない。そうなると、効率よく配偶相手に会うためには集団を形成する必要があるのではないかと思うのです。

 ただ、前述したように昆虫は集団形成(利他的な)などしないらしい。
  でも、この世では利他的に見える行動が利己的な行動の塊ということはふつうにあります。例えば、人類が大河のほとりで文明を形成したとか、都市に人が多く集まるとかは、人それぞれは利他的に集団をつくるのではなくて、便利とか居心地がいいとかの利己的な理由で集団を形成しているはずです。
  ゲンジボタルたちも同じなのかもしれないと考えてこの映像を見ているのです。つまり、彼らにとって便利とか居心地のいいところにそれぞれ個々が利己的に集まっていたら次第に集団を形成して、その時に点滅を合わせたら、さらにうまいこと集団が形成されて、配偶相手なんかも集まることになってうまくいったからその行動が残った、くらいのことなのではないかと。。。
  うまくいった点滅を合わせるという行動がなんとなく「のろし」のような曖昧なシグナルになったのではないかと。。
  ちなみに「のろし」というのは発光生物の大家である故羽根田弥太先生が海外のホタルの木を形成するホタルで使ったのを参考にしてみました。「のろし」という言葉は実にうまい表現だと私は思っています。「のろし」は別に誘引させるものではなくて、「ただここにいる」ということを知らせているだけです。これには「集団を形成しなさい!」という強制がないのです。つまり、利他的なシグナルではないのです。
 
  そして、そんなことを考えているともう一つのことを考えてしまいます。それは、彼ら成虫の一番の目的・大事なものという問題です。

  研究の世界の中では昆虫の成虫の目的・大事なことというのは明確で、「子孫を残すこと」だけです。でも、ゲンジボタルや他の色々な昆虫などを観察していると、彼らが一番大事なのは、「自分の命」、次に大事なのは「食欲」、そして3番目に大事なのが「子孫を残すこと」という順番と思ってしまいます。。。 というのも、未交尾の雌雄を野外で捕まえてきて一緒のケースに入れても、交尾はしないで逃げ出します。つまり、子孫を残すことよりも自分の命を守ることが優先されています。また、ゲンジボタルではないけれど、肉食の昆虫では♂にしても♀にしても空腹のときは目の前の相手が配偶相手としても襲って食べます。だから、子孫を残すことは3番目と思うのです。

  つまり、ゲンジボタルの集団は、個々に自分の命を守れる居心地のいいところに集まった結果であって、なんとなく点滅を合わせたら、他の多くの仲間や配偶相手が集まる「のろし」になって、子孫を残すことにもうまくいったということなのだろうかと思ってしまうのです。

  ただ、この集団同時明滅の役割についてはさまざまな実験をしないとわかりません。でも、実験をして調べても正しい結果を導きだせるかはわかりません。ただ、自分のことすらまともにわからない私が、彼らのことを完全にわかるはずもないのです。だから、いつまで経っても、なんでだろう〜?なんでだろう〜?と言うのでしょう(川ノ)。  

《2015年度》 No. 144

 タイトル

色とりどりアマガエル

書込日
9/9
アルビノ
黒色 1号
青色 1号
青色 2号
黄色
(この個体は今は展示していません)
体色の組み合わせ
内 容 

 当館では只今、色とりどりのニホンアマガエルを展示しています。すべて、色々な方から提供頂いたカエルです。

  詳しいことはわかりませんが、文献などを読んでみるとアマガエルは虹色(青色)と黄色と黒色の3つの色素を持っていて、それを組み合わせてさまざまな体色を作るそうです。 だから、緑の多いところにいるときは緑色に、コンクリートのような白いところにいるときは白っぽく、土の上にいる時は茶色っぽくなるそうです。
 
  今 展示しているカエルはその3つの色素の内の一つ、またはすべてを先天的に持っていないので、青色の色素を持っていないと黄色に、黄色を持っていないと青色に、その2つを持っていないと黒色(透明)になるのでしょう。ただ、.先天的に色素を持っていないと、周りに合わせて体色をかえることができないので外敵に襲われやすいと考えられます。
 
  そもそも突然変異なのでこのようなカエルは数が少ない上に、外敵に襲われやすいでしょうからなかなか出会うのは難しいのです。

  そんな彼らが今、青色が2匹、アルビノが1匹、黒色(透明)が2匹も展示しています。よくこれだけ集まったものです。ぜひ、見に来てください。でも、ふつうのアマガエルも2匹展示しているので、彼らもちゃんと見てあげてください(川ノ)。

※追記:10月に入ってから青色のアマガエルがまた1匹増えました(青色3号)。

《2015年度》 No. 145

 タイトル

次の企画展

書込日
9/19
オオミスジコウガイビル
ヒルゲンドルフコウガイビル
コウガイビルの一種@Diversibipalium sp.
( 線条は背面1本、腹面0本)
コウガイビルの一種AD. sp.
( 線条は背面0本、腹面0本)
クロイロコウガイビル
コウガイビルの一種BD. sp.
( 線条は背面3本、腹面0本)
ワタリコウガイビル
( 線条は背面5本、腹面0本)
コウガイビルの一種CD. sp.
( 線条は背面0本、腹面0本)
ヒルゲンドルフコウガイビルの生殖器
オオミスジコウガイビルの眼
内 容 

 次の企画展はウズムシ(扁形類)類に関するものなので、最近は時間を見つけては探しています。

  どうにか、淡水生のウズムシ類はナミウズムシとミヤマウズムシの2種を確認することができました。
 
  また、陸生のウズムシ(コウガイビル)もどうにか8種類くらい見つけることができました(下関市外のも含む)。

  ただ、このグループを同定するためには生殖器を切片にして見ないといけないので、なかなか種を特定することが難しくて苦労しています。
  いろいろな論文を読み漁って、生殖器や咽頭(口)の位置や体色など生殖器以外も参考に種の特定を試みますが、難しいものです。無理に種を特定するのはよくないので、ほとんどがコウガイビルの一種として紹介することになりそうですが、それでも可能な限り種ごとに詳しく紹介したいと思っています。

 このグループを調べるのにはいろいろな苦労がありますが、知れば知るほど面白い!!

 切っても切っても増えることや、地球上ではじめて脳を持った生き物であること、ほとんどの無脊椎動物の眼が直立眼であるのに対して、この生き物だけはヒトと同じ反転眼であることなどなど、「なんておもしろいんだ〜」と思うのです。でも、ちゃんと企画展として作れるのだろうか〜、、、、、面白がってばかりもいられない。。。
 
  まぁ、まだ時間あるので頑張るしかない!企画展は10月2日からです。(川ノ)

《2015年度》 No. 146

 タイトル

次のテーマ展

書込日
10/19
イロハモミジ
ウリハダカエデ
オニドコロ
ヤマノイモ
内 容 

 次のテーマ展は「身近に見られる翼果(よくかorよっか)」に関するものです。 翼果とは、カエデやシナノキのような翼を持ったタネのことです。
 翼果は、タネが遠くに移動できるように、翼を持つ進化をしたといろいろな本に書いてあります。
 このような「よくできた植物のタネ」の構造を紹介した本はとても多く、 それらには、「植物のタネが進化の結果、子孫を残すためにこのようなスゴイ構造を得た」と 書かれています。
 でも、それをそのまま真に受けるわけにはいきません。
だって、翼のないタネだって、それ以外の特にスゴイ構造をしていないように見える植物だって、同じ地球に同じ時代生きているではありませんか。別に翼なんて持っていなくたって、他のスゴイ構造を持っていなくたって、 生き残ってこれているではないか。。 などと、あまのじゃくの考えがちらちらと頭の奥底から 聞こえてくるのです。
 進化を理解するのはなかなか難しいのです。
 そんなとき、(私だけが思う)進化を見ることができる場所があります。。。 それは、、、100円均一ショップです。
 100円均一ショップには100円という制限の中、 さまざまな種類の商品が売られています。
 例えば、「スティック糊」一つとっても、その多様性には目を見張るものがあります。 小さな糊が3本入っているもの、キレイな見た目のもの、大手メーカーの糊によく似たもの、 キャップに転がり防止の突起があるものなど、いろいろです。
  これらは100円という制限の中、強い淘汰が課せられ、売れないものはなくなり、 売れるものが残る。そして、売れるために、制限の中でさまざまな戦略(アイデア)が 具現化されている。
 まさに、制限の中、淘汰によって生き残るという意味では進化そのものではないか!と、 店を歩きながら思っているのです。そして、そのサイクルは生物の進化に比べて とても速い。だから、地球史の中における進化の過程を早送りで見ることができるような場所だと思っています。
 ただ、そんな目で見ていても、 なんてことのない商品だって生き残っていることに気づきます。
 特異な構造の転がらない糊を買う人がいる一方で、 なんてことのないふつうの糊だって買う人がいる。 そんなことを思いながら店内を歩いていると、 特異な構造だけが生き残る唯一の鍵ではないのかもしれないと進化の一過程を
垣間見たように思うのです。
でも、今回はこの特異な構造を持ったタネの展示です。
今更ですけど、、、よく見れば見るほど、飛ばしてみればみるほどよくてきています。
 転がらないキャップをした糊のような感じです(川ノ)。

《2015年度》 No. 147

 タイトル

とあるシミの謎

書込日
10/28
右下のシミはなに?
ここにもシミが
謎の正体
内 容 

 当館の敷地内には草地と建物の間にアスファルトの道があります。この道には時折、上の写真のような白くて、テカテカするシミがあるのです。
  このシミは当館の七不思議の一つで、開館以来11年、ず〜と気になっていたのです。あるときは1日に数か所あったり、ある時は半年くらいぱったりシミがなくなったり、、、いったいこのシミはなんなんだ〜と密かに悩んでいました。そして、今年の春にこのシミの中に黒いヒジキのようなものがあることに気づきました。鳥がハリガネムシでも食べてゲロをはいたものなのかと、その時は思っていました。でも、そうではなかったのです。答えが今日やっとわかったのでした。
  それは、右下の写真をご覧ください。シミの中に茶色い物体が見えます。これは、オオミスジコウガイビルだったのです。つまり、このシミはコウガイビルの体液またはコウガイビルが食べたミミズorナメクジの残骸だったのでした!まぁ、どうでもいいようなことですけど、謎が解けると気持ちがいい!あとは、残る謎が6個あるのです。。。(川ノ)


《2015年度》 No. 148

 タイトル

翼果飛ばす装置

書込日
10/29
風出るところ
整流装置
展示の様子
展示の様子
内 容 

 翼果が飛ぶところを来館した人に見てもらいたいと思い、いろいろな試行錯誤をしました。。。苦労しました。。そして、どうにか綺麗に飛ぶところが見られることができる装置が完成しました。参考になるかわかりませんが、この装置の作り方をご紹介します。
 まず、使う道具ですが、100均一ショップに売っているお菓子用の篩を6個と透明のプラスチック板(A1パネルの壊れたもの)、排気用扇風機、そしてタピオカ用のストローです。まず。篩の2つにタピオカストローを切って詰めていきます。これが風を整流する装置となります。そして、篩で挟んで固定します。あとはプラスチック板を丸めて篩で固定します。これで、円筒形の形を維持し、下から扇風機で風を送るようにセットすれば完成です。お試しください。(川ノ)


《2015年度》 No. 149

 タイトル

イシノミ

書込日
11/21
鱗粉ある状態
鱗粉が取れた状態
内 容 

 次の企画展は「下関のシミとイシノミ」ということで、シミとイシノミという昆虫を対象としようかと思って、時間をみつけては調査しています。でも、この生き物は、少しでも体が擦れると体の表面の鱗粉が取れてしまうので、優しく優しく扱わないといけません。
 シミとイシノミは昆虫の祖先に似た姿を今に残す昆虫として知られ、甲殻類と昆虫の間の特徴をもっていて、腹にも各節に足があるし、単眼が大きいし、面白い生き物です。 でも、こんなに慎重に触らないといけない生き物はこれまで経験がないので、たいへん。。。。(川ノ)


《2015年度》 No. 150

 タイトル

次回企画展

書込日
12/8
夢の共演(左がイシノミ、右がブラシザトウムシ)
内 容 

 イシノミとシミは同じ目(Order)に入ることがあるので、似たような生き物ですので、最初はシミも対象にしようかと思っていました。でも、調べれば調べるほどに両者は違うので、1回の企画展で一緒に紹介するには私の能力が足りませんでした。そこで、次回企画展としてはイシノミだけを対象にしようと思っています。
  ただ、イシノミを調べると言っても、文献は少ないし、調査してもなかなか見つけることができないし、非常に繊細ですし、、、苦労しています。。。 とりあえず、内陸性のヒメイシノミの一種、オカジマイシノミ、海浜性のセイヨウイシノミモドキなどを見つけることができました。
  また、調査しているとこれまで見つけることができなかったブラシザトウムシなども見つけることができました。3億年近く姿を変えていない彼らが今も生きているというのはなんとも感慨深いものです。ちゃんと企画展としてできるのだろうか〜〜と思いますが、、、このような生物としての先輩にお会いすると頑張って知らなければと思います。(川ノ)


《2015年度》 No. 151

 タイトル

イシノミの体は魅力的

書込日
1/5
@ 中脚の突起
A 正面から見たところ
B 腹部の鱗粉
C 腹部の腹面
D 胸部
E 複眼
F 体の断面
G 頭部の断面
H 腹刺の断面
内 容 

  新年になりました。今年は申年です。

  めでたく新年が明けたこととも、申年とも何も関係ありませんけど、現在イシノミの企画展を開催しています。

  このイシノミという昆虫は日本から15種くらいが見つかっているとても小さなグループで、一般的にはあまり知られていませんが、その体はとっても魅力的です! 

  たとえば、他の昆虫にはない、中・後脚の突起(写真@)があったり、昆虫でもっとも小顎髭の節が多くて、長かったり(写真A)、体は鱗粉で覆われているけど、それがトタンのように波打っていて鱗粉同士が固定できていたり(写真B)、腹部にもダンゴムシみたいに脚があったり(写真C)、翅を持つ前の昆虫の姿を胸の構造から見ることができたり(写真D)、複眼がとても大きいけど、翅なくて飛べないから上側にしかなくて、単眼が何故かとても大きく複眼の下に横長にあったり(写真E)、、、、ん〜挙げるとキリがありません。
 
  でも、多分これを読んでいる方には、どの魅力もピンとこないことでしょう。仕方ありません。。説明べたの私には、十分にイシノミの魅力を説明することはできないのですから。
 
  だから、ぜひ企画展をご覧ください。実物を展示していますので、それらを見れば説明はなくてもわってもらえるはずです。イシノミの脳みそも展示しています。どんな脳みそしているのでしょう?気になりませんか?
  ぜひ、お立ち寄りください(川ノ)。


《2015年度》 No. 152

 タイトル

今作っている展示

書込日
1/22
草本類用の実物図鑑
引出の中
薬品に漬けて処理しているとこ
完成した魚類乾燥標本
内 容 

 現在は、実物図鑑用の草本植物用の棚と魚類展示用の標本を作製しています。
 
  実物図鑑はこれまで、下関で見つかる化石、岩石、動物、植物などを少しずつ増やしてきましたけど、草本類(植物)については十分に展示できていませんでした。だいぶ、このグループの標本も増えましたし、写真なども増えたので、どうにか展示できないかと考えまして、、、棚を作ることにしたのです。
  この棚には90種類の植物標本を展示することができます。ただ、有るもので作っているので、うまくいかない部分も多くて、改良に改良を加えています。

 また、魚類の展示は生体で常時30種くらいしていますが、生体展示できない種も中にはいます。そこで、そのような種類は剥製で展示できないかと思っています。そうすれば、下関で見られる淡水魚全種を常時見ていただけますから。
  ただ、剥製にする一般的な方法は、皮を体の形に整形した粘土に張ってアクリル塗料で塗るというものですが、これでは皮以外は実物ではないし、塗料で塗るとウロコとか、骨とかがわかりにくいし、せっかくの実物のすごさがわかりにくい気がしています。そこで、実物を薬品で腐らないようにして、乾燥させることで展示できる標本を作製しようと思って作成しています。展示の中で死んだ魚たちは冷凍庫にいるので、それらを使って試行錯誤しながら、その理想を目指して模索しています。コイ科は案外うまくできましたが、ドジョウ類は萎んでしまって未だうまくできません。なかなか、実物を展示するというのは難しいものです。変な干物を試行錯誤しながら作成する日々なので、部屋は魚の干物のような匂いと棚を作る木材の匂いで充満しています。寒いから窓は開けれないし、、、(川ノ)。


《2015年度》 No. 153

 タイトル

今作っている展示

書込日
2/19
魚類標本展示
サケの標本展示
内 容 

 生体展示できない淡水魚を標本で展示することにしました。標本はグリセリン置換という方法で処理して作成しました。この方法に行き着くまで、いろいろな試行錯誤をしましたが、結局は自分でできる方法で、もっとも理想に近い形として、この方法になりました。
  できてみると、液浸標本や剥製より実物として細かいところまで見ることができます。ただ、湿度を保ったり、防菌・防臭など、クリアしないといけない条件があったので、専用の棚を作りました。この棚にはいろいろな工夫をしましたが、最終的にはケースの中に防菌や防臭をクリアにするために何かを敷かないといけなくて、いろいろな材質を検討した結果、、行き着いたのは、猫のトイレ砂でした。何が使えるか、わからないものです。
 他にも、カエルの声の展示やホタルの古い文献を閲覧できる展示などいろいろと作っています (川ノ)。


《2015年度》 No. 154

 タイトル

見た目は違う

書込日
2/27
ゲンジボタル雌の腹部断面
ゲンジボタル雄の腹部断面
内 容 

 まだまだ寒いです〜。でも、最近はいい素材の肌着が売っているので、これを着れば案外暖かく過ごせます。こんな薄いのにどうして暖かいのだろう?と、不思議に思います。
 
  関係ないけど、ゲンジボタルなどホタルの発光器も予想以上に薄いのです!体の表面にわずかな厚みの層として存在していますが、こんなに薄いのにどうしてあんなに明るい光を出すことができるんだろう〜?
 
  最近作られた肌着も、昔からいるホタルも、その薄さの中になんとスゴイ構造が秘められているのでしょう。
 
※補足: 上の写真の赤く染色された細胞が「発光細胞」、それに隣あっている白っぽい細胞が「反射細胞」と呼ばれるものです。体の断面の腹面の一部にしかないことがわかります(川ノ)。


《2015年度》 No. 155

 タイトル

入口に新しい展示

書込日
3/16
山地の植物展示
植物の展示パネル
珪化木の展示
珪化木の展示
内 容 

 入口に新しい展示を2つ増やしました。

  一つ目は下関の山地でふつうにみられる植物を栽培展示した花壇です。ここには、野生シカによる捕食圧で最近増えた植物や下関の山でふつうに見られる植物、興味深い植物などを展示しています。時期によっては花を咲かせる植物もありますし、ある種にはチョウの幼虫も見れるはずです。小さな花壇ですが、平地にいながら、山地の植物を垣間見て頂けたらと思います。

 二つ目は、大きな珪化木の展示です。これは、下関市内で採集された大きな珪化木で、直径約90cm、高さ45cm、重量800kg、年輪も綺麗に見えますし、樹皮まで残っているとても保存状態のよい新生代のものです。

 入口にありますので、どうぞご覧ください(川ノ)。




2007年度の日々の活動記録
2007年度の活動記録の詳細
2008年度の日々の活動記録
2008年度の活動記録の詳細
2009年度の日々の活動記録
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2010年度の日々の活動記録
2010年度の活動記録の詳細
2011年度の日々の活動記録
2011年度の活動記録の詳細
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2011年度の活動記録の詳細
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2015年度の日々の活動記録
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