下関の水生昆虫
水生昆虫を常時生体で展示しています。展示しているのはほとんど下関で採集したものでゲンゴロウなどの甲虫類やタイコウチなどの半翅類、トンボ類などが入ってます。
タガメについては以下の当館公式Twitterの記事も参考にしてください。
〈タガメについて〉はじめに
毎年のことですが、何故か夏休みになるとタガメに関する問い合わせが多く寄せられます。たぶん、昔 作ったwebページが残っているからだろうと思いますが、それでは十分な解説はしていないので、ここにいくつか簡単ですが解説を加えておこうと思います。— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 20, 2018
〈タガメについて〉その①
タガメの翅は飛ぶ時は上翅と下翅が連結します(写真①)。それを可能にしているのが上翅の裏側(写真②矢印)にあるフック(写真③)と下翅の前縁にあるレール(写真④)です。
上翅が開くと、このフックが下翅のレールにはまって連結します。 pic.twitter.com/hzBWh9Zd30— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 20, 2018
〈タガメについて〉その②
タガメは幼虫の時は前脚の爪は1対2本ありますが、成虫になると1本になります。ただ、1本が完全になくなったわけではなくて、よ~く見ると根元にその痕跡を見ることができます。成虫の場合を獲物を捕らえる上で、爪が1本の方が何かと都合がいいのでしょう。 pic.twitter.com/aG22iJ8Jti— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 20, 2018
〈タガメについて〉その③
日本で見られるタガメはKirkaldyia属に1種のみ属しています。それは他のタガメとプロポーション等に違いがあることによります。写真①はいくつかのタガメを並べたもので、写真②は体のサイズを同じにして並べたものです。日本のタガメが前脚が太くマッチョなのがわかります。 pic.twitter.com/FuCjsoZerT— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 20, 2018
〈タガメについて〉その④
背中側は毛で覆われていて、その毛を分け入ると中に気門(写真①)が見えます。たぶん、この毛で空気の膜を作って、気門から空気を吸うのだろうと思います。ちなみに、呼吸管(写真②)にも裏側(写真③)に毛があって、空気を流れいるのに役だっているのだろうと思います。 pic.twitter.com/I3u4xG2vee— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 20, 2018
〈タガメについて〉その⑤
触角は眼の下にポケットがあって(写真①)、その中に入っています。触角は4節から成りますが(写真②)、ゲンゴロウなどが持っているような感覚器ではなくて、陸生昆虫が持っているような感覚毛が散在していますので、陸上で使っているのかもしれません。わかりませんけど。 pic.twitter.com/rSilMzGJAR— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 20, 2018
〈タガメについて〉その⑥
タガメの口は、他の昆虫と同じように上唇(写真①)、下唇(写真②)、大顎(写真③)、小顎(写真④)により成るっています。ただ、大顎と小顎は細くて針状なので「口針」と呼ばれることもあるようです。また、下唇は鞘状になっていて大顎・小顎由来の口針を包んでます。 pic.twitter.com/DKWU7jyWNC— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 20, 2018
〈タガメについて〉その⑦
タガメの眼です(写真)。マツモムシなども同じような個眼をしていますけど、凹んでいます。これは、水の中ではこの方が何かと都合がいいのかもしれませんが、よくわかりません。 pic.twitter.com/8DqAa9MGfa— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 20, 2018
〈タガメについて〉その⑧
タガメの雄による求愛です(動画)。右にいるのが雌で、左で波を起こしているのが求愛中の雄です。雄は、3・4回の波を規則的に起こして雌を呼びます。 pic.twitter.com/vF4zv0zmhT— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 22, 2018
〈タガメについて〉その⑨
親雄は卵がふ化するまで保育(水をかけたり、日射を遮ったり)や保護(外敵から守る)をします。そして、卵(卵塊)は一斉にふ化します。親雄がその途中に死んだので代わりに保育してみた時も一斉にふ化(写真)ので、一斉ふ化には親雄の合図はないようです。 pic.twitter.com/ijSa2zzHmr— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 23, 2018
〈タガメについて〉その⑩
タガメはカメムシの仲間なので、蛹の期間を持たない不完全変態の昆虫です。そのため、脱皮を繰り返して成虫になります。幼虫期間は、脱皮直後は明るい緑色ですが(写真)、成虫に羽化した直後は白色で、時間とともにコーヒーミルクみたいな色を経て茶色になります。 pic.twitter.com/C7JVhdAx6n— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 23, 2018
〈タガメについて〉最終回
タガメの心臓(写真左)と内臓(写真右)です。脳(神経系)については、北海道大学の水波先生の研究室のHPに詳しく解説がされていて、素晴らしい標本が図示されています→https://t.co/TyxBf5rEAz pic.twitter.com/COwxQCEjcI— 豊田ホタルの里ミュージアム (@toyotahotarum) July 23, 2018